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昨日からこのフレーズが胸の中でカタカタ回ってる。

おととい、NHKで放送された井上ひさしさんの戯曲「組曲虐殺」の中で歌われてた歌の一節。

原稿用紙に向かうとき、そこにからから回る胸の映写機から映し出される映像が立ち上がるって、劇中の小林多喜二が言う。

それは井上ひさしさん自身の作家としての言葉でもあるんだろう。

かたかたかたかたまわるぅ~
むねのえいしゃきぃ~

そこには死んだ人の姿も映し出される。

で、昨日ヒカリが、「今日の『ひととき』良かったぁ~」と言って、どこかの60過ぎのおばさんが書いた朝日新聞「ひととき」の文を読み聞かせてくれた。

「母の中で弟は生きる」

というタイトル。

認知症の88歳のおばあさんは死んだ人の安否を娘の「私」に良く尋ねる。
20年前に死んだ夫の安否について娘に「もう随分前に死んでる」と言われたら、「ま、亡くなった人をあれこれ思っても仕方ない。お母さんがその分長生きして人生を楽しめばよい」とさっぱりした言葉を返す。けれど、22年前に亡くなった息子の死は認めない。「私」がつい正直に答えたら「修二が死んだはずはない」と烈火のごとく怒り出した、と。

「今日も病院に行く途中、弟のことを尋ねるので、『元気、元気。仕事が忙しいみたいよ』と答えると、『顔も見せないで親不孝ものめが』と言いながら笑っている」。

おばあさんの胸の中の映写機はちょっと壊れている。
死んだ人を生きた人として映し出す。
死んだ人を生きた人として映し出す映写機のおかげでおばあさんの悲しみは癒されている。

「認知症から優しいプレゼントをもらい、これから先も母の中で弟は生き続けていく」とその文は終わっていた。

タバスコは、えんえんと泣いてしまいました。


今日もええ天気です。

ヒカリとちょっと遠出の散歩にでかけよかと思っています。


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プロフィール
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タバスコ
年齢:
67
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誕生日:
1956/05/26
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広範
自己紹介:
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