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皆さんご存知の通り、タバスコはここ数年毎年懲りずに某ローカル文学賞に、まったく入選の見込みもないようなええ加減な小説をぶっつけで書きなぐっては応募するということを繰り返してきました。

最初の2回か3回まではけっこう下心、野心もあり、

「はっはっは、受賞したときのお祝いは花よりビールにしてもらお、でもそれはこっちから言うてええかな」

とかけっこう本気で考え、ビールを希望する前に花が届いたらどうしようとか悩んだりもしておりました。(あほ)

でも、一昨年あたりからそういう気持ちはすっかりなくなり、(意気込んだ割りに肩透かし感否めず)参加することに意義があるのだ!との目的錯誤もはなはだしく、とりあえず何でもいいから書いて出すというイベントに変化しておりました。

今年はそういう気すら起こらなく、6月ごろ早々に不戦敗宣言を発令しておりました。(お耳にされた方もおいでかと存じますが)
タバスコは公民館のお仕事を手伝っている関係で、公民館イベントが重なる9月、10月に向けて7月ごろからいろいろ煩雑事が増えます。だもんですから6月の時点である程度のめどがついていないと諦めざるを得ないわけなんですね。
ということで今年はもう書かないと決めてさっぱりした気分で公民館雑事にいそしんでおりましたことよ。

8月、いよいよ多忙に拍車がかかります。しかも今年の暑さはひどかったし更年期のホットフラッシュも加担して、ああ、今年は早々に諦めといて正解やったなぁと、思うタバスコ、寄る年波にこのように駆逐されていくのかとの一抹の寂しさかみしめつつも寄る年波に案外素直にたゆたうものでもありました。

まだ残暑が太い尾を引いていた9月16日のことなんですけど、この日何かがあったわけではありません。文書ファイル名が「9月16日」となってるのでこの日から書き始めたって意味なんでしょう。「9月16日」という名前の文書ファイルには明らかに小説のつもりらしい文書が保存されているのです。
9月19日は運動会だったし、2週間後は敬老会。めちゃめちゃ忙しいときです。何を思い立ったか書き始めております。

9月23日には30ページまで書いておりました。30日には60ページ。
確か原稿枚数制限は80ページから100ページだったはず。あと一息。

10月3日は敬老会だった。〆切は10月10日消印有効。よし、なんとか書けるぞ、ここまできたら意地でも書く。どんなしょうもなくても最後まで書く。何が何でも書く!書いたろやないけ。
ただ、枚数的には後20枚とは言え物語的にまとまるのかどうか、最も苦しいところ。
苦しいけど楽しいところでもあります。読み直してばっさり捨てたほうがええとこもでてきた。
それが10月3日の夜のこと。


10月3日の夜から6日までそれどころじゃない事態がしゅったい。
それどころじゃない気分で、小説のことなんか放り出して奔走し、6日夜はそのまま眠り、翌朝やや気持ち収まれば、ここまで書いたもん、なんとか書き終えたい気持ちがムラムラ湧いてくる。それどころちゃうやろというのは確かなんだけど、そんな中でも別の気持ちになれる自分もいるんです。
ああ、人間って卑しいもんやなとも思うし、それは素晴らしいことでもあるんちゃうやろかと思えたりもする。
こんなときに、こんなカスみたいな小説書いてるのはちょっとおかしいんちゃうかと思わなくもない。それでもこんなときにちゃんと別の気持ちを持ち続けてるのも大したもんやで、と自分を慰める自分もいる。
それどころじゃない事態の余韻はまだ続いていて、週末9日にはまた出かけなくてはならない。そのまま10日も帰って来れないかもしれない。となるとあと2日しかない。9日の朝出かけるまでに書きあがっていなくてはならないのだ。これはいくらなんでも無理や。無理やけど書ききりたい。

刻々と迫り来る制限時間へのカウントダウンの刻音を聞きながら、書きまくるタバスコ、もう出来なんかどうでもええねん、エンドマークつけられたらそれでええねん!残り時間と制限枚数と物語としての整合、どや、間に合うか、あかんか、ああ、もうあかん、いやまだ諦めるな。

7日も8日も夜はバイトがあった。中間テスト前の中学生相手に奮闘するタバスコ。奮闘の合間にもちょっとしたアイデアがひらめいてメモしたりもするタバスコ先生。

いよいよ最後の時間がせまり来る8日の夜。生徒が帰ったのが8時半(この子は授業のあと10分くらいおしゃべりしていくんだけど、今夜ははよ帰って、と無慈悲に追い返す)。まずお風呂に入ろう。んで濃いコーヒーを一杯。ダンナに、「今夜は夜中中ガサゴソ動き回るけど心配せんといてな」と言うておく。

自分の部屋の作家ごっこ用文机の前に座る(文机だけは立派。漆塗り)。
頭の中ではもう出来上がっている。それを言葉にしてったらええだけや。簡単なこっちゃ。半ばやけくそ。

明け方3時半、頭が朦朧としてきた。予定していた展開に行き詰る。やけくそ感いや増す。

会うはずだった男と女は会わないことにしよう!
そのほうが簡単に書けそう。それでええわ。会えずにメールのやり取りで終わらそ。(なんちゅういい加減な展開)やけくそ爆裂。

終わらしたった。4時20分ごろ、エンドマークにたどり着く。
たどり着いただけ。めちゃめちゃな話。読み直しも推敲も一切なし。そんな時間あれへんがな。

エンドマークがついたばかりの出来立てほやほやの「9月16日」名文書にタイトルを付ける。「栄光の人生」ハハハハ、やけくそなタイトルやなぁ。
印刷して封筒に入れて宛名殴り書き。出来上がった!

それを鞄に放り込み、簡単な荷造りをしてそのまま家を飛び出した。
早朝6時10分発の高速バスに乗るのだ。
着いた大阪の中央郵便局から投函する。

なんちゅう応募作品やと審査員諸氏に失笑されるのはかまへんねん。
タバスコにとっては書き終えたというただその一点の事実のみが意味があるのだ。
こんな状況で書いたってこと。書いてるどころやない状況でそれでも書かずにいられなかったタバスコの卑しさや愚かさも含めてそれが私なんやということ。54歳になって、残ったのはこんな私やということ、それを自分で無念がるためにも書く必要があったんやろと思うのであります。

9日は一日雨でした。
雨の町を歩いていると金木犀のにおいが湿った空気の中でより一層濃くにおってくるようでした。一睡もしないで明けた一日でした。
一睡もしない夜は暮れもしないし明けもしないのかもしれません。

朝、友人に電話をすると、妙にテンションが高いな、どうしたん?と言われ、一睡もしないでいると人間こうなるのかと知りました。

雨の町を歩いていると、ただ雨の町を歩いているだけで泣けて泣けて、泣いても傘で隠せるからラッキーと思いつつ泣きながら歩いてました。テンション高いと人間こうなったりもするのかと思いました。

栄光の人生というタイトルを付けた小説を書き終えた翌日の雨の一日のことでした。


その小説の中で、タバスコみたいな主人公のおばはんが、最後に人に言うてもらうんです。
栄光の人生やで、って。

やけくそで書いたラストシーンでした。



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プロフィール
HN:
タバスコ
年齢:
62
性別:
女性
誕生日:
1956/05/26
職業:
兼業主婦
趣味:
広範
自己紹介:
おもろいおばはん
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