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昨日は無為徒食の一日だった。
ダンナが一日家にいて、私を無為徒食へ誘導したのである。
目障りなので目を閉じているとそれは延々と私を惰眠に向かわせることになったわけだ。

と、まったく好きなものとは対極のダンナのことをこけ落として(こけにして落として)おいて、好きなものを語る今日の私との対比を皆様にお見せしてみました。

日曜日の朝、8時半に朝食を済ませる。
9時からNHK教育の日曜美術館(正しくは、「新日曜美術館」らしい)を見るためにダンナを隔離部屋に追い払う。
山田太一氏が銅版画家、浜口陽三を語るという。

これは前もって山田ファンbbsにてあいどん師匠からの告知があったので。

私の大好きな山田さんが、お好きな画家について語られるというので、浜口某さんについては恥ずかしながらまったく存じ上げてもいないながら山田さん見たさにチャンネルを合わせているわけである。

いや、素晴らしかった。
浜口陽三の銅版画もであるが、それを語る山田さんが。

好きなものについて語るとき、人はこんなに美しく謙虚になれるものか、という点に。

以前に少しだけ書いたことがあるんだけれど、ブログってつまりみんなが「私はこれが好きだ」って主張している場、と言ってもいいんじゃないかと思います。
ブログに限らずですが、人はみんな自分の好きなものについて語りたいわけですよね。

ある女性作家のファンのサイトにときどき行ってみるんだけれど、あんまり面白くない。
そこには「この作家を好きな私が好き」って空気が充満しているように感じられて、実は私も結局はそういう自分を語りたい欲求を持っているのかと気づいたらとたんにしらけた気分になってしまったことがある。 

好きなものについて語るというのにはそれなりにわきまえというか、距離感覚が必要なんだなと思わせられたわけです。
でもそんなことは凡人にはなかなか難しいことで、つい好きな作家について語っているつもりが、この作家をこのように讃える自分の語り口に酔ってしまう、つまり自分を讃えるような気配がたったりしてしまうのじゃないか。

今朝見た山田さんにはそんなところが微塵もなかった、などと言いたいわけではありません。そんなレベルで山田さんを讃えたいわけじゃないんです。
ただもう、お好きな画家について語る山田さんが美しくて、それは引いてはこの画家を好きな自分について語ってらっしゃるのだけれど、それもまた美しい。
好きなものを語るというのは、それを好きな自分を語るということに他ならないのだけれど、それをこんなに美しく語れるというのは、やはり山田さんの美しさなんだなあとしみじみ思わせられたわけです。

美しいという形容詞はこういうときに使うものなんだろうとも思ったわけです。

僭越ながら、私は、本物を探して旅する旅人だと自分を讃えたことがあります。(この讃えるは、ちょっと遊び心も含んで使っていますが)
洞察力というか観察眼というか自分のそういうものに自信があってというわけではないのですが、私という人間のレベルで分かる範囲でではありますが、本物志向があると思っています。できれば偽者と本物を見分ける眼力を持ち得たいと望んでいます。
そういう意識を人よりは強く持っているという程度ですが。

今朝、山田さんを拝見して、この人は本物の人間だなあと改めて思ったのです。
そして、この人を34年前からずーっと好きな私を讃えてしまったわけです。えへへ。
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